ベテランに限らず、絵の上手いアニメーターほど作品内容ややりがいを重要視し、
報酬の上下に興味を持たない人が多いです。
その問題についてまとめました。
お金を欲しがることは汚いのか?
アニメ業界に限った話ではありませんが、「お金を欲しがることは悪い事、汚い事だ」
と思ってる人はたくさんいます。
よく、「自分が若いころはもっと貧しかった」「苦しみを乗り越えた結果、今の自分がある」と言うベテランの人がたくさんいますが、
それがイコール「今の若者も貧しい方が良い」「苦しみを乗り越えれば報われる」
には繋がりません。
私の考えとしては「お金は多ければ多いほど良い」です。
「技術を上げてからお金を稼ぐ」では間に合わず潰れていく新人が多すぎます。
「お金を稼ぎながら技術を磨く」方が良いに決まっています。
基本お金さえたくさん貰えれば去る人も潰れる人もほとんど出ません。
「お金を多く与えたらアニメーターは働かなくなるのではないか?」
という疑問を抱く人もいると思います。
しかし、その疑問を抱く人はだいたい「描く人」ではなく、「描かせる側の人」です。
アニメ業界の現場での実例
これは実際にアニメ制作会社で起きた事で、
キャリア30年で今も最前線で働いてる社員のベテランアニメーターの話です。
この方は新人の作画指導係も兼任しているのですが、
指導係としての給料は発生していません。
ここまでは会社の問題ですが、さらに問題なのはこの人が
お金はいらないと自分で言ってしまっている点です。
このせいでこの方よりキャリアが低い社員が給料面で会社と交渉しても、
「あの人ですらこの値段でやっているのだから、お前ごときが値段に口を出すな」
という方便を会社側が使えてしまっているのです。
まとめ
アニメーターはほぼ歩合制なのでキャリアに関係なく収入が低いです。
また、キャリアが上がるにつれて単価が上がったりもしません。
しかし、会社内ではキャリアが上の人がお金を受け取らないと、
キャリアの無い若者にしわ寄せがいくことがあります。
どうかベテランの人ほど、お金を貰うことを拒まないで下さい。
自分一人の美学で貧しく働くだけなら良いのですが、
組織で働くとそうはいきません。
会社は他者との比較で人を評価します。
上がお金を貰わない限り、それより下の人たちを救おうとする動きは生まれません。