アニメーター

私がアニメーター時代に腱鞘炎になった話

私はアニメーターになり、5年ほど経った頃に軽度の腱鞘炎になりました。

その時の原因、対策、などを自分の経験から書きました。

今手が痛い人も、まだ痛くない人も、参考にしてみてください。

私の場合の原因

腱鞘炎の原因は、もちろん「絵の描き過ぎ」ですが、

それだけでなく、鉛筆の使い方がよくありせんでした。

 

もともと筆圧が強かったことに加え、

日々の長時間労働も重なり、利き手の親指根元が痛むようになりました。

 

あまりに痛むので整形外科で診てもらったところ、

「軽度の腱鞘炎、もしくはその手前」

と診断されました。

 

重度ではないため、描こうと思えば絵も描ける。

「朝はまだマシで、1日の終わり頃にはかなり痛んで描くのがつらい」

という状態でした。

最善の治療は「手を動かさないこと」

腱鞘炎になったら、とにかく

「手を動かさないことが大事」

と言われました。

 

治療にあたり、整形外科、整体、整骨院、はり治療。

いろんなものを試しました。

 

それぞれの場所で治療内容や診断内容は異なりましたが、

その全ての場所で共通して言われたのが、

「なるべく動かさないように」でした。

 

腱鞘炎になる理由は、手や指を酷使していることが原因なので、

休めることが1番の治療になるのです。

 

もし今まだ腱鞘炎が発症前ならば予防をし、

発症したら強制休息。

 

それが最善であり、その後の人生で長く絵を描いていたいならば、

なおさら休むべきです。

予防法について

腱鞘炎が発症したら休むしかありませんが、

そうならないためにも日々の予防が大切になります。

その予防となり得る方法を紹介します。

鉛筆の持ち方

私の場合が「鉛筆を持つ力が強すぎた」ことが原因だったように、

体は無駄な力が加わっている部分が故障します。

 

なので鉛筆を軽くもつ習慣をつけましょう。

方法としては鉛筆を長く持つ。

(鉛筆の芯の近くを持たない)

これだけでも無駄な力は入りにくく、

1度に引ける線の長さも伸びるというメリットがあります。

 

なので、アニメーターになると「鉛筆を長く持つ」ということを指導されます。

そしてあとは意識的に、

鉛筆を持つ手に力を入れない」ということを心がけて描きましょう。

日々、体のケアをする

アニメーターは腱鞘炎になるほど手はたくさん動かしますが、

1日中椅子に座りっぱなしのため、体をまったく動かさなくなります。

そのために、日々の運動やケアが必須になります。

 

腱鞘炎予防に関してもそうで、

仕事の合間や仕事終わりにマッサージ、ストレッチをすることがとても大事です。

 

整形外科の先生から教わったことがあります。

絵描きが腱鞘炎になるのは鉛筆を「強く握る」ことが原因なので、

指が内側に曲がる動きばかりになってしまい、

内側に曲げる部分が疲労してしまうそうです。

 

なのでその反対側に力を加えると良い。

つまり指、手首を反らせる動きです。

 

これを仕事の合間に頻繁にやること。

本来、一方に加えた力と、反対側にも同じだけ力を加えないと、

体のバランスが悪くなります。

 

つまり1日中働いたら、1日中手を反らせなきゃならないことになってしまいます。

そうならないように、仕事の合間に度々行うことが大事なのです。

治療体験談

様々な治療を受けた中、効果が1番大きかったのは鍼治療です。

 

鍼の腕に評判のある先生がいて、

そこの整骨院に、一時期マッサージを受けるために通っていました。

 

その先生に腱鞘炎のことを相談したところ、

「じゃあ、鍼を打とう」

と言われました。

 

それまでに受けていた肩、腰などの鍼治療で、

先生の腕前の高さは実感していたので、是非にとお願いしました。

 

腱鞘炎なので指、手首あたりに鍼を打つのかと思ったら、

首の後ろでした。

 

指は手首に繋がっており、

手首は肘に、

肘は肩に、

肩は首に繋がっている。

 

つまり、体のあらゆる部位は首に繋がっている。

 

首が凝ると、体全体に悪影響が起こる可能性がある。

なので座りっぱなしで首の凝りやすいアニメーターは、

より体に異変が出やすい。

という仕組みになっているそうです。

 

実際に首に鍼を打つことで、「手の握る力、開く力」が軽くなりました。

これが様々な治療の中で一番即効性がありました。

最後に

様々な治療があるとは言え、

結局は1時的な痛みや疲労を軽減することでしかありません。

 

なので、まだ発症していない人は

「腱鞘炎は病院に行けば治るもの」

と思っておかない方が良いです。

 

 

私自身、腱鞘炎だと診断された当時は、数か月休業しました。

「描こうと思えば描ける」という状態ではありましたが、

 

手以外の疲労も溜まっていたので、それを機にしばらく休業し、

体と心を休め、今後のアニメーター活動について考える時間を作りました。

 

その結果、会社通いを辞めて自宅作業に変えました。

自宅作業に変えてからは仕事をマイペースでできるようになり、

腱鞘炎は滅多に痛まなくなりました。

 

 

いろんなところで診てもらいましたが、私の腱鞘炎は未だに完治はしていません。

発症して5年経った今でも、長時間絵を描いたりすると再発します。

 

アニメーターのように長時間絵を描いていると、

ある日突、然腱鞘炎になる可能性もあります。

 

もしその時に貯金がなければ腱鞘炎のまま描き続けるか、

転職するしかありません。

というより、治すつもりなら腱鞘炎のまま描いてはいけないので、

転職せざるを得なくなり、アニメーターを辞めることになります。

 

もしも今仕事で書いているものが、

「絵描き人生最後の作品になっても後悔が無い」

というならば何も言いませんが、ほとんどの人は

「そうではない」

と答えると思います。

 

腱鞘炎に限らず、あらゆる病気、ケガは、

絵描き人生の寿命に直結します。

 

それをしっかり把握したうえで、

自分の「体」と「仕事」の折り合いをつけていきましょう。

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元アニメーターの経験を元に『アニメーターになる前に知っておくべきこと』を伝えます。