「親に心配をかけたくない」という感情は度が過ぎるとその感情に自分自身が押しつぶされてしまいます。
そうならないためにも「自分にとって親とはどんな存在なのか」ということを考えてみて欲しいのです。
なので『親との付き合い方』というものを私なりに考えてみました。
今回の内容は私に届いた1つのお便りが元になっています。
親が躁鬱であり、私の心配をよくします。
アニメーターになりたいけれど、親にさらに心配をかけてしまうのではないかと思ってしまいます。
なので「アニメーターになりたい」と言いづらいです。
何か意見をいただきたいです。
ざっくり言うとこういった内容でした。
人の家庭や病気のことに意見するのは難しい事ですが、私の経験上から知っておいてほしい事をまとめました。
うつ病と関係のない人は②から読んで大丈夫です。
①うつ病はいつ治るかわからない
うつ病というものは風邪なんかとは違い、いつ治るかわからないものです。
なので「親が心配だからそばにいなきゃ」というだけの考えだと、『いつまで傍にいればいいのかわからない状態』が続きます。
それは最悪、親が死ぬまで続きます。
これは「うつ病になった者は見捨てろ」という話ではなく、
「生涯を通して傍に居続けたい相手は自分の意思で選ぼう」ということです。
さらに言えばうつ病に限らず、人の感情は伝染します。
良い感情も、悪い感情も。
「助けたい」と言う感情が「助けてくれ」に変わってきます。
そして共倒れになると今度は誰も助けてくれなくなります。
「健康な人が健康でい続けること」は相手にとっても自分にとっても重要なのです。

②自分にとって『親』はどのくらい大切か
「親は大切なものであり、敬い、愛し、尽くさなければならない」なんていう義務は子供にはありません。
世間はそういうことを美しいと称賛しますが、感情や価値観は人それぞれです。
親や家族であろうが、他人であろうが、人との付き合い方は自分の好きなようにしていいはずです。
重要なのは「自分にとって親がどのくらい大切なのか?」ということを『知る事』です。
「親が亡くなるその時までそばにいてケアし続けたい」というほどの情がある人もいます。
一方で、親の人生よりも自分の人生を好き勝手にやりたい人もいると思います。
「親を安心させたい気持ち」と「自分の好きなことをやりたい気持ち」どちらが自分にとって大切なのか、天秤にかけてみてください。
「親の傍にいて、親を幸せにするために尽くすことが幸せ」という人もいるでしょうし、
「自分の人生が最優先で、自分の幸せのために自分に尽くしたい」という人もいます。
自分はどうなのか?
「自分の欲や価値観」がわからないままでいると、「世間のイメージ」を優先して行動しがちになってしまいます。
「自分の意思」と「世間のイメージ」が同じとは限りません。
『自分は何に幸せを感じるか』を知っておく事はとても大切なのです。
③親を安心させる必要は無い
「親を安心させたい」という感情自体は悪いものではありません。
しかし、「親が安心すること」が自分にとってどのくらい価値があるのか?という事は自覚しておく必要があります。
この価値観は人や家庭によって大きく異なるので簡単に良い、悪いと断定できません。
しかしこの「親を安心させたい」という感情に人は惑わされ、判断力を失うということが多くあります。
④親の心配は消えない
アニメーターという職業に就くことが、親に多大な心配をかけることは間違いありません。
数ある職業の中でもかなりイメージが悪い部類だと思います。
しかし、アニメーターになってもならなくても親の心配はなくなりません。
たとえ大企業に就職したり公務員になったとしても、心配の形が変わるだけであり、心配そのものがなくなったりはしません。
親が喜ぶ職業に就こうと、親が嫌がる仕事に就こうと、その環境なりの心配ごとが生まれるだけです。
なので「親の心配を消したい」という気持ちを実らせることはほぼ無理だと私は思っています。
親の心よりも、自分の心の健やかさのほうが私は大事です。
ただ、アニメーターという職業はとてもではないですが健やかと言えるものではありません。
家族や大切な人をないがしろにしてまで選ぶ仕事か?というと、経験者としては簡単には勧めれません。
「アニメーターはこんなことをする仕事だよ。それでもやりたい人だけ目指してね」
というのが当ブログ本来のメーッセージです。
なので家族の協力無しでアニメーターを目指そうとしている人は、ブログ内の記事を一通り読んでみてからもう一度考えてみてください。
↓特におすすめの記事


⑤お金の問題が絡むと大変
親に限った話ではありませんが、「お金」の話題はトラブルの元です。
収入がなければ「そんな仕事で大丈夫なのか?」と心配され、
稼いだら稼いだで「そんなに稼いでどうするの?」と言われ、
場合によっては「稼いでるんだからお金を渡せ」と言ってくるかもしれません。
全ての親がそうだとは言いませんが、そういうこともあり得るということです。
つまりお金にまつわる問題は家族や他人に関係なくトラブルの元になりやすく、
それは収入が多くても少なくても起こり得るのです。
そしてアニメーターは収入が『低い』方の話題で、家族間のトラブルが起こりやすいと言えます。
⑥親への情は義務じゃない
「親に心配をかけたくない」と思った時にどんな思考、行動、決断をするのか。
それは親との関係性に左右されます。
仲は良いのか?悪いのか?
親と自分自身どっちが大切なのか?
まずはそこをハッキリと自覚することが重要です。
親に対して「今まで育ててもらった」とか「学費を払ってもらった」とか考えてしまい、強い意見や態度で向かい合えないこともあると思います。
「親は老い、自分は若く健康だから我慢しなきゃ」
「親は他に頼る人がいないから自分が支えてあげなきゃ」
そんなことをつい考えてしまうかもしれません。
それは決して悪い事ではありませんが、同時に義務でもありません。
親に対して情があるのは自然な事なのかもしれませんが、それは決して義務ではなく、選択の自由があります。
親への情を持つ自由。持たない自由があります。
好きに選んでいいんです。
最後に
親は健康であろうと病気であろうといつか亡くなります。
それは明日かもしれないし、30年後や40年後かもしれません。
もちろん自分自身もいつ死ぬかわかりません。
その時を可能な限りリアルに想像してみてください。
親が亡くなったあとから自分の人生が始まるのか。
親と共にいる時間が自分の幸せなのか。
その価値観は人によって異なります。
だからこそ「自分の価値観」を知ることが大切になってきます。
自分の人生の価値。親の価値。
本来は数値をつけれないもので、比較なんてできないものであっても、いつか選択を迫られた時のためにも「自分の大事なモノの優先順位」を今のうちから定めてみてください。
