うつ病の話

うつ病になったアニメーターの話

私の友人はうつ病が原因でアニメーターを辞めました。

同様にうつ病で退職したり、苦しみながらも働いてる人たちがたくさんいるかと思います。

私が見てきた限り、特にアニメ業界はうつ病の人が多いです。

友人の体験談を伝えることで、うつ病とはどんなものなのか知ってもらえればと思います。

心療内科に通院

私の友人(女性)は老舗大手アニメ制作会社で、

社員契約で動画マンとして働いていました。

 

彼女はすごくポジティブで、野心があり、真面目に勉強や仕事をこなすアニメーターでした。

しかし、次第にアニメーターとしての技術的な悩みと、職場での人間関係が原因で精神的に追い詰められていきました。

 

心療内科に行くことを決心し診察してもらった結果、うつ病と診断されました。

 

医者からは

「会社を休んだほうがいい、薬を出すから定期的に通院しろ」

と言われただけした。

 

カウンセリングも無く、治療しようという感じもなく、

あるのはただ通院させようという雰囲気だけでした。

 

処方されたのは睡眠薬と、抗うつ剤。

(眠りやすくする薬、気分を楽にする薬、興奮を抑える薬など)

「うつ病を治す薬」というのは無いのです。

 

それも飲むとわずかに楽になるという程度で、

「薬を飲めば大丈夫!」というものではありません。

 

結局、病院代と薬代は1か月で6000円~7000円ほどかかってしまいます。

アニメーターは収入が低く、動画マンの彼女の月収は10万円ほどでした。

生活していくためにも会社を休むわけにいかず、

薬を飲み、通院しながら仕事を続ることになります。

 

通院しながらの仕事

また、ちょうど動画マンから原画マンへの昇進がかかっているタイミングでもあったので

「ここで休んだら昇進に響くかもしれない。原画マンになったら少し休もう」

と、休むのを先延ばしにしてしまいました。

 

その後、原画マンに昇格するものの症状を悪化させ、

会社にいることが耐えきれなくなり休職することになります。

 

1か月だけ休職するつもりでいたものの、症状は変わらず、

もう1か月、もう1か月と伸びていき結局3か月間休むことに。

 

この時点で彼女は傷病手当金というものがもらえることを知らなかったので、

経済的に苦しくなり「これ以上は休めない」となりました。

 

生きるためにはお金が必要で、

そのために働いて心を壊し、

治療費で余分なお金がかかり、

お金を稼ぐために、より働かなければならない。

という、悪循環になってしまいます。

 

傷病手当金の貰い方はこちらの記事に書いてあります。↓

アニメ会社のうつ病への理解のなさ

3か月後の休職後、彼女はなんとか復職しました。

しかし心はすぐに耐えきれなくなり、会社に足を踏み入れることすら困難な状態へ。

彼女の場合は「会社」そのものが苦手意識になってしまっていたので、

なんとか出社しても仕事が手に付かず、1日中椅子に座っているだけになってしまいました。

 

仕事へのやる気はあったので、

「せめて仕事を持ち帰って家でやれせてくれ」と訴えてみても無駄でした。

 

会社のうつ病への理解は全く無く、

「うつ病といって甘えるな」

「社内にはうつ病でも働いている人間もいる」

「会社にろくな貢献をしてないのに生意気言うな」

など暴言を吐かれ、聞く耳をもちません。

 

この対応から察するに

「仕事の量や質の高さよりも、タイムカードを押して8時間会社のイス座っているほうが評価される」

という考えの会社だったようです。

 

歴史のある老舗大手アニメ会社がこの有様では、

他のアニメ会社はもっと酷い仕打ちを受けているかもしれません。

 

アニメ業界は職人気質の人間が多いことや、

納期に仕事を間に合わせることしか考えてないところがあり、

社員を人間扱いしてくれないことがままあります。

 

どれだけの人が辞めていっても、次々と業界志望者が入ってくると思っているのでしょう。

しかし、現場では人手不足を嘆いているのにもかかわらず、このような対応をしている状態なのですから、

貴重な人材はどんどん減っていってしまいます。

 

大事なのは健康な体と心とお金

彼女の働く理由は、今まではアニメーターとしての技術向上でした。

 

「将来作りたい作品があり、そのために今は苦しくても技術を磨くんだ」

と、日頃から言っていました。

 

しかし貯金が尽きることで、彼女の働く理由は完全に生活費を稼ぐことになっていました。

 

そして、働けない心と体になり、3か月分の傷病手当金が振り込まれたタイミングで

退職を決意しました。

 

 

どんなに強い野心や夢があっても、

「健康な体と心、そしてお金」がないと人は生きていけません。

 

最後に

今会社がつらいという人は、今すぐ休んでください。

「うつ病なっても自分は大丈夫」など根拠のない考えで目をそらさず、

取り返しのつかないことになる前に。

 

「働きたくても働けない」自分をしっかりと想像してください。

それは「働きなくないのに働いている」よりもずっとつらい事もあるのです。

 

 

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bebe
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元アニメーターの経験を元に『アニメーターになる前に知っておくべきこと』を伝えます。