アニメーターの収入の低さは有名です。
しかし、アニメーターにおけるお金関係の問題はそれだけではないので、そのことについてまとめました。
アニメーターのお金への認識
「アニメーターは収入が低い」
これはもう今では周知の事実です。
しかし、それゆえにアニメーターを目指す人も、収入が低いことを承知でアニメ業界へやってきているように感じました。
中には、「こんなに貧しいとは思わなかった」と知り、
早々にアニメ業界を去っていく人もいます。
ですが、多くのアニメーターが、
「アニメーターになれれば収入は低くでも構わない!」
「どうせお金はたいしてもらえないからお金のことは考えない!」
「お金に興味はない、とにかく絵がうまくなりたい!」
など、お金を軽視しています。
「収入が少ないのは知ってる、それでもやりたいんだ」という人たちだからこそ、
お金に関して考えることを放棄しがちになるのです。
その結果、
お金がなくなるか、体や心を壊すまで働き続ける人が量産されてしまいます。
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アニメーターが稼げないのは実力が無いせいか?
「アニメーターは稼げない。でもそれは実力がないだけで、実力さえつけば稼げるんだ」
そう思ってる人もいるかもしれません。
もちろんアニメーターとしての実力(画力、スピードなど)は、
お金を稼ぐ大きな要因です。
実際、実力で稼いでいるアニメーターはいます。
しかし問題は「いる」、「いない」ではなく、稼げていない人が圧倒的多数だという点です。
「なぜ貧しい人が多いのか」それは収入の低さだけではなく、
アニメーター特有の「実力至上主義」のせいだと私は考えています。
アニメーターは「職業」でありながら、あまりに「実力」のことしか考えてない人が多い。
その結果が「大事なのはお金ではなく実力」という思考になってしまうのですが、この考えはとても危険です。
お金への関心、知識がないと、無駄なお金を使うことになったり、
入るはずのお金が手に入らなかったりということが起こります。
例えば、これは実際によくあることなのですが、
実力もキャリアもあるアニメーターが、仕事を終えた後に単価を確認したりしています。
「報酬」よりも「仕事量」「作品内容」「とりあえずスケジュールを埋めること」を優先しているのです。
にもかかわらず「時間も労力もたくさん割いたのに単価が安かった!」と嘆きます。
社会人としては考えられない行動です。
こんなことをしていると、あっというまに貯蓄は無くなります。
貯蓄が無くなると、どんな人でも「とにかくお金を稼ぐために働く」ようになります。
そうすると「お金はどうでもいいから実力をつけるために働く」という理論で働いていた人たちは、働く理由や目的に矛盾が生まれてしまいます。
自分の中に矛盾があると悩みや迷いが生まれ、迷いがある時、絵描きは筆が止まります。
「実力さえあればいい」という考えは貧しさの前には無力です。
だからこそお金は大事なのです。
現場で、「私は貧しさを乗り越えたぞ!」と言う人たちの事を信じすぎないで下さい。
100人いたうちの1人がたまたま乗り越えて言ってるだけで、99人が脱落したのです。
現場では脱落した99人の意見やアドバイスは聞けません。
本当に「実力さえあれば稼げる」のであれば、上手かったアニメーターが次々と辞めていくはずがないのです。
最後に
実力が無いせいで稼げない人もいます。
しかし、実力がある人でも稼げない人がいるのです。
「実力」というものにとらわれすぎて「お金」をないがしろにしないようにしましょう。
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