アニメ業界について

アニメは芸術作品か否か

アニメを作る能力、技術は芸術的である。

そう思う人は多くいると思いますが、では「アニメは芸術か?」

こうなると賛否が激しく割れます。

一体アニメとは何ものなのか?

アニメ業界を目指す人たちに知って欲しい事をまとめました。

 

アニメーターは「上手い絵を描く仕事」ではない

私はアニメーターの経験しかないので、アニメーター目線のみの話になります。

 

そもそも作画というものは、アニメを構成するたった一部でしかありません。

 

しかし作画を仕事にしている人ほど、作画を重要視しがちです。

自分がやっている仕事なのでそう思って当たり前なのですが、

あまり作画にとらわれすぎるとアニメ=作画という発想になってしまいます。

 

アニメファンならどう楽しもうと問題ありません。

なんならアニメーターだってどんな理由で仕事をしても問題ないのです。

しかしアニメ業界にこの仕組みを知らずに入ってきてしまうと後悔が大きいと思います。

 

なので、「アニメーターは上手い絵を描く仕事ではない」

ということをとりあえず知っていて欲しいのです。

上手いアニメーターの技術はまさに芸術的ですが、

その芸術的作画だけでは商業アニメは作れません。

アニメーターは何故争うのか?

アニメとはこうあるべき!

いや、そうじゃない!こうあるべきなんだ!

こういう論争がアニメーター同士で対立しがちです。

それは例えば作画の良し悪しであったり、

仕事に対する姿勢であったりします。

 

絵という正解がない世界だからこそこの対立は不毛なのですが、

アニメーターは「絵に関しては譲れない!」という人たちの集まりなので、

必ずどこかでこの争いは起きます。

 

なぜ争いが起きやすいのか?

私は、「アニメとは何か?」という認識が、現場にいる人間の中でバラバラである、

という点に問題があると思っています。

 

アニメは一体何ものなのか?

 

ツイッターに少し書いたのですが、

アニメは芸術作品か工業製品かそれとも娯楽品なのか?

 

他にも意見があるかもしれませんが、

アニメを何だと思っているか、それによってアニメに対する主張が変わってきます。

 

アニメが芸術だと思っている人は、

費用や収入、労力よりもやりがいや自己満足、技術の上下や感性を重視します。

 

アニメが工業製品だと思っている人は、何よりも納期を優先します。

そのための分業化であり、労力は人ではなく機械のように考えています。

 

アニメを娯楽品だと思っている人は、面白ければなんでもいいと思っています。

作画の出来が良くても悪くても、現場がどんな惨状であろうとなかろうと、

出来上がった作品にしか興味が無いです。娯楽なのだから。

 

こんなにも考えの違う人たちが一緒に同じものを作っていたら、

それはケンカになって当然です。

 

意思の疎通が大事

本来、チームで1つのものを作り上げる時は、

チーム全員が「同じものを作っている」という意識の統一をすべきです。

 

しかし、アニメ作りは1つの作品を作るのにあまりにも多くの業種と人が関わっており、

しかも一人一人がこだわりやプライド、思想を持ち、

人によっては「自分だけ目立ってやろう」と企んでいたりさえします。

 

こんな組織では意思の疎通は上手くいきません。

 

アニメは芸術か?

結局アニメとは何ものなのか?

人によってとらえ方が違う以上、これがアニメだ!と断言はできません。

 

私は、「アニメは視聴者にとっては娯楽であり、

アニメーター1人1人の技術は間違いなく芸術とよべる代物であり、

そして現場の作業形態は完全に工業製品作る時のそれである」

というくらいに考えておけばいいと思っています。

 

むしろこういった不思議で複雑な仕組みになっているから、

業界内の足並みがいつまでもそろわなかったのではないでしょうか。

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bebe
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アニメ業界で得た知識や情報、自分の考えを伝えるためにブログを書いています。 アニメーターやクリエイターに技術の修練より大切なことを伝えたい。