お金、賃金について

私がアニメーターだった頃の収入

アニメーターは実際にはいくら稼げるのか?

どういった収入システムになっているのか?

そういったアニメーターの収入の詳細を私の実体験を元に紹介します。

私のアニメーターとしての業務歴ごとの収入の変化は次のようになっています。

①入社~6ヶ月 月収0円
②7ヶ月~1年目 月収3万円~5万円
③2年目~5年目 月収5万円~15万円
④5年目~10年目 月収10万円~20万円

 

入社して月収0円からスタートし、10年働いても最高月収は20万円ほど。

作画スピードを上げるほど収入は上がりますが、私の限界は20万円。

私の画力と作画スピードは業界ではかなり下のほうでした。

 

そして30歳を超え体調を大切にしようと思い週に休みを1日必ず取り、徹夜を辞めて丁寧な仕事を心がけたところ月収10万円になりました。

「一生この仕事は続けられない」と考え、辞める決意をしました。

もちろん、上手く速いアニメーターはもっと稼いでいます。

 

では、入社から10年間の収入の移り変わりの詳細を説明していきます。

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①入社~6ヶ月 月収0円

私はアニメ会社に入社して半年ほどは月収0円でした。

私が入社したアニメ会社は15人程度の作画スタジオでした。

入社といっても社員ではありませんでした。

この会社では入社から6ヶ月間、動画の研修を受けました。

その間、収入はありません。

 

今思えばとんでもない事だと思っていますが、当時はアニメーターになれる喜びや情熱のせいでおかしさに気付けませんでした。

「アニメ業界はつらいと聞くし、そういうものなんだろうな」くらいにしか思ってませんでしたが、じゅうぶんおかしいです。

同様の会社に入ってしまったら早めに逃げましょう。

 

どうせ動画やるならせめて少額であってもお金貰って実戦でやったほうがいいです。

もちろん、ちゃんと指導者のいるところで。

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②7ヶ月~1年目 最高月収5万円

1か月の収入例

・【レイアウト】1600円×20カット=32000円

・【原画】800円×20カット=16000円

32000円+16000円=月収48000円

7か月目から先輩にチェックを受けてながら2原を始め、先輩に認められ次第レイアウトもやりはじめました。

単価は業界内でそんなに差はありませんが、「会社所属のアニメーターなのか、制作会社から直接受注するフリーランスアニメーターなのか」で変わってきます。

 

私も会社を抜けてフリーランスになってから知りましたが、月収例で書いた仕事もレイアウト1600円の本当の値段は2000円だし、原画800円は本当は1600円でした。

 

会社所属だと会社にいくらか抜かれるデメリットがありますが、作画のみに集中できるので作業用は増えるというメリットがあります。

フリーランスは値段交渉ができたり仕事を選べることができるメリットがありますが、営業や受注を自分でやる必要があるのでそういったストレスが増え、作業量は減りやすいデメリットがあります。

③2年目~5年目 最高月収15万円

1か月の収入例

・【レイアウト】2000円×30カット=6万円

・【原画】1800円×40カット=7万2000円

6万円+7万2000円=月収13万2000円

この頃は作画スタジオを辞め、制作会社に席を借りてその会社の仕事をメインに働いていました。

ここでも社員扱いではなく、フリーランス。

会社に席を借りたことで作画作業に専念でき、単価も本来の値段になったので収入も少し上がりました。

しかし社内の仕事ばかりやるので「同じキャラ、似たような内容を繰り返し描く」という苦痛もあります。

④5年目~10年目 最高月収20万円

1か月の収入例

【作品A、レイアウト】2000円×20カット=4万円

【作品A、原画】1800円×20カット=3万6000円

【作品B、レイアウト】2000円×15カット=3万円

【作品B、原画】1800円×15カット=2万7000円

4万円+3万6000円+3万円+2万7000円=月収13万3000円

この頃は会社の席も離れ、自宅作業メインで働くようになりました。

個人で仕事を受注するのでどうしても「全く仕事が無い期間」ができてしまいます。

なので、2~3作品をかけもちするのが必須になりました。

 

複数の会社、複数の作品の仕事をすることは、楽しくもあり難しい部分もあります。

作品が変わるごとに描く作品の世界観(ギャグ、バトル、萌えなど)が変わり、作画(キャラの作画、頭身、注意事項など)も変わります。

これは作画的にとても大変で、かけもち作品が多いほど作業効率が落ちます。

 

さらに仕事受注の営業も自分で行いますし、月に1~2回ある打ち合わせの度に会社まで移動が必要になり時間と労力が取られ、「作画だけしていればいい」という訳にはいかなくなります。

 

個人で営業しているので単価を交渉出来たり、親しい会社や人から高単価の仕事を貰える機会がまれにありますが、仕事の管理を自分でするぶん総合的な収入は社内で働くのとあまり変わりませんでした。

むしろ徐々に疲労が溜まってき、収入は下がっていきました。

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最後に

私のアニメーター時代の収入例を紹介しましたが、これはあくまで私の場合であり、アニメーターの収入は個人差があります。

アニメーターの多くは社員ではないのでアニメーターの収入は「給料」ではありません。

「報酬」と言った方がいいでしょう。

描いた量が多いほど収入が上がるのです。

 

私のアニメーターとしての実力は業界内でもかなり低い方でした。

画力は高くなく、速く大量に描くのが苦手でした。

締め切りと礼儀を大事にしていれば、10年は働けるのです。

逆に言えば絵が下手でも、アニメ業界に向いてなくても10年働けてしまうとも言えます。

 

アニメーターに求められる能力は非常に高いですが、業界に入るのはとても簡単です。

そして原画マンであれば生きていく「だけ」のお金は稼げてしまいます。

そのせいでなんとかなるような気がしてしまいますが、一般的な職業と違ってキャリアが上がっても収入は上がりません。

 

アニメーターは完全実力主義の世界です。

絵が上手く、作画スピードが速ければ収入を増やす選択肢が広がります。

絵と営業が上手ければ 「社員になる・拘束料金をもらう・副業をする」などの方法を選ぶことができるのです。

 

アニメーターを目指す人は業界に入る前に、こういったアニメーターの収入事情をしっかり考えてみてください。

私は情熱だけを武器にアニメ業界に突っ込み、「実力不足、無計画、無知、業界への不満」などが原因で辞めることにしました。

アニメーターという仕事は情熱だけではなんとかなりません。

実力と計画力が必要です。

 

特に計画力を重視する人は少なく、業界で成功している人は「非常に高い実力を持っているから」という場合がほとんどです。

実力に不安がある人ほど、本当に必要なのは計画力になります。

どうかアニメーターを目指す際は「なった後」のことをしっかり計画してみてください。

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元アニメーターの経験を元に『アニメーターになる前に知っておくべきこと』を伝えます。