アニメ業界

アニメ業界は実力社会に向いていない

アニメ業界は他に類を見ないほどの実力社会です。

実力があれば年齢、性別に関係なく評価されます。

(収入はたいして変わりませんが)

それは良いことだけでなく、悪いこともあります。

そのことについてまとめました。

男女に関係なく「実力」が評価される職業

職業によっては男女差別が未だにあります。

しかしアニメーターという職において男性と女性の差はありません。

評価の基準が「実力の高さ」だからです。

 

ある意味でこんなにもホワイトな業界はなく、

「仕事がどれくらいできるか」次第で業界での地位、評価が決まります。

 

他の業界ではここまで「実力のみ」で判断されません。

せいぜい近いのはスポーツ業界など、技を競い合う職業くらいです。

 

この「実力で評価される」ことは良い面も、悪い面もあります。

しかし「男女の違いで不当な待遇をうけるかどうか」という点においては良い面です。

男性であれ女性であれ実力の高い人の方が評価され、重宝されるのです。

 

実力社会と分業制は相性が悪い

アニメ業界は実力至上主義です。

しかしそのアニメ業界は、その実力を活かしきれない作業システムになっています。

それが「分業」です。

 

そもそも分業化された職業は主に「量産」を目的としています。

作業者個人の「個性」や「能力の差」は求められでおらず、

それが反映されないほど商品の質や作業効率はあがる傾向にあります。

 

しかしアニメはそうではありません。

分業の目的は「量産」ではなく、

1つの商品を作るのための膨大な作業量の「分散」です。

 

「個性」や「能力の差」はアニメ作りにおいて必要、というのが私の考えです。

厳密には必要というより、存在していてほしいと思っています。

 

人格を評価する余裕がない

アニメーターは実力に比べて人格はあまり評価されません。

誠実な仕事をすると感謝はされますが、評価への効果は薄い。

圧倒的な実力さえあればどんな人格でも評価されます。

 

これはアニメ業界に「人格を評価する余裕がない」というせいでもあります。

 

今、目の前の仕事をなんとかするしかないという焦り、

余裕のなさ、問題の後回しのツケが年々積もっていったのです。



競争と協力の違い

わたしはアニメ業界には「競争」が必要だと思っていますが、

現状では「競争」はなく、「協力」している状態です。

 

アニメーター個人は実力による競争がありますが、

アニメ業界や会社は競争がありません。

 

実力社会は「競争」において真価を発揮するもので、

競争することで会社や業界は発展していきます。

 

そもそもアニメ業界は会社を発展させるという概念がないように感じます。

「優秀なスタッフを集めること」が組織力を上げるという短絡的な思考がその表れ。

組織力を上げるなら「教育」が不可欠です。

 

「実力社会」でありながら「協力主義」であるという矛盾。

これを改善されない限りはアニメ業界は衰退していくと私は思います。

個人と組織の差

アニメーターは実力さえあれば、人格がどうであれ評価されます。

なので男女に差はなく、誠実で作画能力の高い人ほど優遇されます。

 

しかしアニメ業界において問題なのは、

仕事や人に誠実じゃなくとも、実力さえあれば優遇されるということです。

 

個人の職人なら、技術だけで評価されるのは問題ありません。

むしろ実力や人気が重要な職業は、個人の能力で評価されるべきです。

 

しかしアニメ業界は「組織」で仕事をしています。

組織のなかで不誠実な人が優遇され上に立ち、

誠実に働いている人が報われないシステムで経営が成り立つはずありません。

 

それは商品の質や利益しか考えていないシステムであり、

会社の経営や業界を発展させることを考えていません。

そんな組織はいずれ崩壊します。

商品の質は上がるが、組織の質が下がるからです。

 

アニメ業界に必要なこと

実力社会のまま経営するなら業界全体が競争すること。

競争せず協力していくならば、社員の能力と人格をしっかり判断すること。

 

これがアニメ業界には必要だと私は思っています。

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元アニメーターの経験を元に『アニメーターになる前に知っておくべきこと』を伝えます。